行きたい展覧会があっても、入口はどこか、着いたら何をするのかが分からないと、来館の準備に手間がかかります。住所と地図に加えて、到着から受付までの様子を見られる案内を考えてみましょう。
到着する順番で読める来館案内
Young V&Aの「visual story」は、初めて訪れる人の計画を助けるページとして、駅からの道、入口、館内へ入る流れを写真と文章で紹介しています。荷物確認や混雑時の列、トイレや静かに過ごせる部屋なども説明されています。出典1
来館前に何を知れるかという案内の構成を参考にするもので、不安が何割減った、来館者が増えたという効果を示す資料ではありません。以下は、自館で小さく試すための提案です。
初めての人が迷う場所を三つ拾う
電車・バス・車など、実際によく利用されるアクセス方法を一つ選び、最寄りの駅やバス停、駐車場から、来館者と同じ道を歩いてみます。館内をよく知らない職員に見てもらったり、受付に届く質問を聞いたりすると、説明が足りない場所を探す助けになります。
最初は「曲がる場所が分かりにくい」「建物の入口を通り過ぎる」「入館後の受付が分からない」など、迷いやすい点を三つほど挙げてみましょう。館の全設備を一度に撮影するより、入口までの一続きの案内を完成させるほうが取り組みやすくなります。
段差のない経路と最短の経路が違う場合は、同じ道として案内しません。どこを通る経路なのか、利用できる時間などの条件があるかを、施設担当者に確認します。
五つの場面を写真と短文でつなぐ
たとえば、選んだアクセス方法に応じて駅の出口・バス停・駐車場のいずれかを最初の場面にし、道の分かれ目、建物の入口、受付、困ったときに尋ねる場所の五つを並べます。これは作り始めるときの目安です。実際の道順に合わせ、少なくても多くても構いません。
写真には「見えているもの」の説明と「そこで何をするか」を添えます。外観の美しい写真だけでは、進む方向が分からない場合があります。進行方向に近い位置から撮った写真を使い、目印の名前や曲がる方向を文章でも伝えます。矢印や色だけに頼らないことも大切です。
道順には自館の実際の写真を使います。生成イラストは記事のイメージには使えても、現地の入口や段差を確かめる案内の代わりにはなりません。通行人の写り込み、撮影や掲載の可否にも配慮して用意します。
入館後の流れと尋ね先も添える
入口が分かっても、チケットをどこで見せるか、荷物をどうするかが分からないことがあります。受付に進む順番や、券種による違いなど、来館者がその場で迷う内容を短く添えます。荷物確認や待機列がある場合も、実際の運用を確認して説明します。
来館案内ページの中で見つけやすい位置に置き、展覧会ページからも案内します。細かい文字が入った一枚の画像だけにせず、スマホで読める本文と写真の組み合わせにすると、写真が見えない場合にも情報を伝えられます。画像のALTにも、その写真で確認できる目印などを記載します。
担当者と更新するきっかけを決める
工事、入口の変更、受付方法の変更など、案内を見直すきっかけを決めておきます。情報の確認日と担当を館内で残し、実際の来館案内とずれていないか点検できる状態にします。
公開後は、受付で聞かれる道順の質問がどう変わったかも振り返ります。問い合わせの増減は、来館者数や展覧会の違いにも左右されるため、案内だけの効果とは決めつけません。まずは自館の入口までを一度歩き、写真があると伝わりやすい場所を一つ選んでみてください。


